映画『湯を沸かすほどの熱い愛』ラストの火葬シーンに足!?|評価とネタバレ感想

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』ラストの火葬シーンに足!?|評価とネタバレ感想邦画

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とても悲しくタイトルの通り『湯を沸かすほどの熱い愛』を感じる映画だったのですが、ラストシーンで、思わず一緒に観ていた彼女と「え!?」ってなりました。

それほど、ラストに衝撃が残る映画です。

ぜひ、ハンカチを持ってご覧ください。

『湯を沸かすほどの熱い愛』の予告動画はこちら↓

10/29(土)公開 『湯を沸かすほどの熱い愛』本予告篇

予告動画はコメディ要素強めに見えますが、かなり寂しさを感じる映画なので気をつけてください。

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の基礎情報

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』のポスター

制作年2016年
上映時間2時間5分
監督中野量太
主なキャスト
  • 宮沢りえ
  • 杉崎花
  • オダギリジョー
  • 松坂桃李

個人的な『湯を沸かすほどの熱い愛』の評価

今年もたくさん映画を観ている僕の素直な評価です。

総合評価
ストーリー
映像
音楽
キャスト
眠くなかったか

全体的にレベルが高い映画なのですが、特にストーリーがよく、とても綺麗な流れで伏線が貼られていたため素晴らしいと思いました。

キャストも豪華な俳優陣を起用しているため、とても観やすい演技でした。僕が想像していたよりも、杉咲花の演技が上手です。あと、オダギリジョーがカッコ良いです。

オダギリジョーって、イケメンでちょっとダメ男みたいな役がどハマりしますよね。

僕もヒゲが似合う男性になりたい。

『湯を沸かすほどの熱い愛』のあらすじ

父親がふらっと蒸発してから1年が経ち、家族で営んでいた銭湯を畳んでいた幸野家。パン屋さんでバイトをしながら娘の安澄を支えていた母の双葉は、バイト中に急に倒れた。その後病院へ行くと、ステージ4の末期ガンだと言われ余命2ヶ月を宣告される。一瞬はショックを受けた双葉だったが、すぐに行動を開始する。蒸発した夫を取り戻し、銭湯を営業再開させ、娘をいじめに立ち向かわせ、家族を繋ぎ合わせた…。

ここから先はネタバレを含みますので、まだ映画を見ていない方は注意してください。

『湯を沸かすほどの熱い愛』の感想と解説←ネタバレはここから

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』

ここからは映画好きの僕が、『湯を沸かすほどの熱い愛』の感想をネタバレありで書きます。

人間関係が複雑すぎる

この映画、出てくる登場人物のほぼ全ての人がとても複雑な人間関係をしています。驚くほど複雑です。

一応その複雑さがわかる表を作ってみました。

登場人物複雑な人間関係
幸野 双葉母に捨てられる
幸野 安澄母が実の母ではなかった
片瀬 鮎子母に捨てられる
向井 拓海
  • 今の母親が3人目
  • 産みの母の顔を知らない
  • 腹違いの弟が2人いる
滝本(探偵)妻が脳出血で死去

いわゆる「父も母もいて2人兄弟」みたいな平凡な家庭が1つもなく、皆どこか欠けているような人間関係です。

特に、安澄は双葉を母親だと思って過ごしていましたし、実の母でないという伏線もありました。それが以下の通りです。

  • 蟹のお礼の手紙を安澄に書かせていた
  • いじめを克服した時の安澄のセリフ
  • 手話を覚えていた

いじめを克服した時、安澄には以下のようなセリフがありました。

お母ちゃんの遺伝子、ちょっとだけあった。

このセリフが伏線だったのですが、貼り方が巧すぎて驚きです。中野量太監督の才能を感じます。

複雑な人間関係は、美しさまで感じますね。

双葉の活力に脱帽

宮沢りえが演じていた、幸野双葉という母親の役がとても活力のある存在だと思いました。

双葉は、余命2ヶ月で残りの人生が短いとわかっているのに、自分のことではなく他人のことばかり気にしている女性です。

そんな性格だからこそ、関わった人全ての人から信頼され、慕われるそんな人間でした。

もし自分がガンで余命2ヶ月だと知ったら、自分が残りの人生でやりたいことをやると思います。でも、この考えも家族ができたら変わるのかもしれません。

というか、ステージ4の末期ガンって、あそこまでパワフルに動けるものなんですね。車運転してるのとか、少し怖くてハラハラしました。

子役すごい本当に

今回、子役という仕事は本当にすごいなと実感しました。鮎子なんて、もう演技上手すぎてすごい仕事をしているなって感じです。

僕が小学生の頃なんて遊び呆けてばかりで、女性の胸を触ることしか考えていませんでしたから。まるで、クジラとイワシくらいの違いです。

子役って多分親の勧めで演技を始めると思うのですが、よく嫌にならずできるなぁと思います。

ピラミッドのシーン好き

この映画の中で、僕が最も好きなシーンがピラミッドのシーンです。

ここで、この記事を読んでくれたあなたのために、ピラミッドの3つのシーンをおさらいしてあげましょう。

  1. 新婚旅行でエジプトに連れて行ってくれる約束
  2. 木材で作ったスケールの小さいピラミッド
  3. 6人で作る組体操ピラミッド+まゆちゃんのスフィンクス

ヒッチハイクをやっていた拓海君、人数合わせのお手伝いで来た探偵の滝本、安澄の本当の母親である君江さん、夫である一浩。全員集合のピラミッド、美しいです。

最後にお父ちゃんが「俺もうダメだ。」って言ったところも、最後までお父ちゃんらしい終わり方だなと思いました。面白かった。

ラストの火葬シーンを画像付きで解説

おそらく映画を観た人全員が疑問に思ったであろう、このラストシーン。結論から言うと、双葉を銭湯で燃やし、その火でお風呂に入っています。

何はともあれ、まずは火葬シーンの画像をご覧ください。

『湯を沸かすほどの熱い愛』の火葬シーン

これは、どう見ても足です。足を手前側にして寝かされ、燃やされています。

他の方のサイトを見ると「足なんか写ってない。」という方もいたのですが、どう見ても写っていると見て間違いありません。

流石に分かり易すぎるのはよくないので、火でなるべく隠すようにしたということでしょう。

家族が燃えている火で温めたお風呂、想像もできません。

ここからは、この火葬シーンについて、伏線などをもっと詳しく解説します。

拓海君の変装とお経のCD

まず変だと思ったのが、お葬式なのに業者を呼ばず、拓海君が業者になりすまし、お経をCDで済ませるというやり方です。

最初は、お金がないからなのかな?とも思ったのですが、葬儀なんて安くすれば50万円ほどでできますし、あれだけ慕われていた人の葬儀を自分たちのみで済ませるのは不自然です。

そして何より、拓海君が変装していたということは、周りの人には自分たちでやっていることを気づかれたくなかったという気持ちがあったのでしょう。

つまり、本来であれば葬儀を普通にできるものの、何らかの理由があって自分たちのみで行なったということです。その何らかの理由が、双葉を銭湯で燃やしたことに繋がるのでしょう。

夫の一浩と探偵の意味深な発言

出棺と称して河原で寄り道をしているようなシーンです。そこでの、オダギリジョー演じる一浩と、駿河太郎演じる探偵滝本の発言がとても意味深だったので、振り返ってみましょう。

一浩「無茶ですよねぇ。」

滝本「はい。無茶です。」

一浩「ダメですよね。」

滝本「はい。ダメです。」

一浩「本当すみません。面倒なことに巻き込んじゃって。」

滝本「いえ。全く問題ないです。」
「不思議な人です。」

一浩「双葉ですか?」

滝本「はい。あの人のためなら何でもしてあげたいって思うっていうか。多分それって、その何倍もしてもらってるって、思えてるからなんじゃないかなぁって。多分みんな、心からそう思ってるから。」

はい。このセリフで最も大事な部分は、滝本の「あの人のためなら何でもしてあげたいって思う」の部分です。

これはつまり、双葉の体を燃やすことを決めたのは双葉自身だということです。

双葉が望んだことだからこそ、夫の一浩も探偵の滝本も拓海君もやってあげたのでしょう。

双葉には、文字通り湯を沸かすほどの熱い愛があったということです。この映画のタイトルは、双葉の気持ちを表しているのです。

ただ、遺書などのシーンはなかったので、あくまで想像の域を出ない話ではあります。

ホラーでも何でもなく、双葉自らが望んだ行動だったんですね。

双葉は銭湯から出棺されていない

変装した拓海君のセリフにこんなものがありました。

最後のお別れは親族のみで行いますので、皆さま出棺まで外でお待ちください。

「最後のお別れ」とはまさに火葬のことです。亡骸を燃やし、骨を拾い、墓に納める。

この一連の流れを親族のみで行うため、葬儀に参列した方は出棺が双葉とのお別れということになります。

しかし、この時双葉は出棺されたフリをして、実はまだ銭湯で寝かされていたと考える方が自然です。理由は、出棺した後にも関わらず、双葉が銭湯にいるシーンが写されたからです。

出棺前の双葉

美しい花に囲まれたこの描写には、そんな意味が込められていたのでしょう。

赤い煙の意味

これはとても簡単な話で、双葉が好きな色が赤色だったからということです。

最後まで自分らしく、双葉らしく燃えて亡くなりたいという気持ちが赤い煙として具現化されたのでしょう。

音楽もとても悲しいものだったので、思わず涙が出てしまいました。邦画の良いところは、音楽とのマッチにあると思っています。

『湯を沸かすほどの熱い愛』のロケ地はどこ?

『湯を沸かすほどの熱い愛』のロケ地 花乃湯

景観がとても美しかったこの映画のロケ地は、栃木県足利市という場所です。

実は足利市は「映像のまち」として知られている場所で、幸の湯は花乃湯という実際にある銭湯が使われています。350円でお風呂に入れるので、興味があれば行ってみてください。

そして、双葉・安澄・鮎子の3人で蟹を食べに行く旅行に行ってましたよね。あの旅行先は、静岡県の沼津市です。

タカアシガニ料理専門店の「お食事処 かにや」というお店に行けば、あの美味そうな蟹を頬張れます。

参照:映画『湯を沸かすほどの熱い愛』【舞台設定:足利市】

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』のまとめ

はっきり言って、泣けます。しかも1度ではありません。最低でも3回は泣けるシーンがありました

そして何より、キャストの演技が素晴らしいです。僕の中で、演技が上手な人って違和感がありません。

洋画のキャストは演技が上手かどうかがわかりにくいため、誰にでもスッと入ってこれるから人気なのです。

しかし、邦画の場合は自分も日本語を使っているので、セリフの細かい部分にも目が行きます。

そう考えると、この映画は子役を含めて全員の演技が上手でした。今年観た映画の中では、明らかにお気に入りに入ります。

本当に面白かったです!